欧米では当たり前?海外の犬の生食事情を紹介

犬の生食、実は海外では主流!?

日本ではまだ一部の愛犬家にとどまっている「犬の生食(ローフード)」ですが、実は欧米では広く浸透している飼育スタイルのひとつです。とくにアメリカやドイツ、オーストラリア、イギリスでは「BARF(Biologically Appropriate Raw Food)」という概念が定着し、ペットショップやスーパーでも生肉や専用フードが当たり前のように販売されています。

BARFとは?

BARFとは「生物学的に適した生食(Biologically Appropriate Raw Food または Bones And Raw Food)」の略称で、犬や猫が本来食べていた自然な食事スタイルを目指す食餌法です。

BARF食の基本構成

食材カテゴリー 割合の目安
生肉(筋肉) 50〜70%
内臓(レバー・腎臓など) 10〜15%
生骨 10〜15%
野菜・果物 5〜10%
サプリ・オイル類 必要に応じて

欧米の生食事情:国別に見るトレンド

アメリカ

アメリカでは、健康志向の高まりと共に「ローフード専門メーカー」が急増しています。冷凍タイプやフリーズドライ型、ミートミール不使用の完全ナチュラルフードが人気で、ペット専門店はもちろん、オーガニックスーパーでも簡単に購入できます。

ドイツ

動物福祉への意識が高いドイツでは、獣医師が積極的にBARFをすすめるケースもあります。多くの家庭で犬の栄養管理は人間並みに厳しく、生食レシピ本も多数出版されています。

イギリス

イギリスでは、ナチュラル志向のドッグオーナーを中心に生食ブームが広がっています。環境への配慮と併せて「フードマイレージの少ない地元産の肉」を使うなど、サステナブルな意識も広がりつつあります。

オーストラリア

BARF発祥の地ともいわれるオーストラリアでは、獣医師イアン・ビリングハースト博士がBARF理論を提唱しました。現在でもペット栄養の専門家が生食を支持しており、市販のBARF商品が充実しています。

欧米での生食のメリットとして挙げられている点

  • 犬の便の量・臭いが少なくなる
  • 毛艶や皮膚トラブルの改善
  • 口臭・歯石の軽減
  • アレルギー症状の緩和
  • 犬本来の消化能力を活かせる

日本との違いとは?

日本では「生肉=危険」という認識がまだ根強く、獣医師の見解も分かれる傾向にあります。また、家庭での調理に対するハードルや、流通の衛生基準の違いもあり、欧米ほど普及していません。

普及率・文化の違い

国名 生食の普及率(目安) 特徴
アメリカ 30〜40% 専門店・獣医師も推奨
ドイツ 40〜50% 手作り派が多い、栄養管理が厳格
日本 5〜10% まだ一部の愛犬家のみ

まとめ:海外の事例から学ぶ生食の選択肢

海外では、犬の健康を第一に考える飼い主が多く、生食はその一環として確立された食文化になっています。もちろん、すべての犬に生食が適しているとは限りませんが、情報と正しい知識があれば、日本でも安心して取り入れることが可能です。

これから生食を始めたいという方は、海外の事例や専門家のアドバイスを参考にしながら、愛犬に合ったスタイルを見つけていきましょう。