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犬の生食、生肉だけだと足りない栄養素は?
生肉食で不足しやすい栄養素とは
日本国内外の手作り食・生食の調査で、生肉中心・内臓・骨・魚介類・野菜などを十分に含まない場合、以下の栄養素が不足することが指摘されています。
- カルシウム(Ca) – 骨付き肉・魚骨・小魚などが少ないと明らかに不足する。骨なし肉だけではCa:P比が崩れる。
 - オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA) – 魚を取り入れない生肉のみだとオメガ6に偏る。特に日本犬では、α-リノレン酸からEPA/DHAへ変換する酵素活性が低いという研究が示唆されており、魚由来のEPA・DHAが重要。
 - ミネラル(鉄・亜鉛・銅など) – 内臓(肝臓・腎臓)、小魚、骨(魚骨など)を含めないと、ミネラル全体で不足することがある。
 - ビタミンD – 肉に含まれていることもあるが、魚や日光以外では量的に十分でないことが多い。ビタミンDはカルシウム吸収を助ける。
 - ビタミンK やその他微量ビタミン – 手作り・手間のかからない生肉のみの食事例で、ビタミンKが足りていないレシピが見られる。
 
日本の研究・データから見る具体的な問題点
以下は日本での調査や分析で明らかになっている、生肉・手作り食等のデータからの指摘点です。
- 脂質および必須脂肪酸の摂取の偏り:日本の一般家庭で手作り食あるいは偏った手作り食を与えている犬では、オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)が十分でないという傾向があるとの指摘があります。特に皮膚や被毛の健康に影響が出ることも。
 - カルシウムとリンの比(Ca:P比)の不均衡:骨や骨を含む食材を使わない手作り・生食例では、Caの量が低いためP過多となりがちで、長期的には骨格・歯の発達に影響を及ぼすリスクあり。
 - ミネラル・微量元素の過不足:鉄・亜鉛・銅などのミネラルが、内臓や小魚などを十分含めていないと欠乏が見られる。また、ビタミンKのRA(必要最低量)が多くの手作りレシピで満たされていないという調査結果。
 
手に入りやすい自然食材で補う例
サプリメントを使わず、スーパーや魚屋などで比較的手に入りやすい食材で補う方法を以下に示します。
| 不足しがちな栄養素 | 自然食材の例 | 補い方のポイント | 
|---|---|---|
| カルシウム | 小型魚(イワシ・煮干し・しらす干しなど)、魚骨つきの切り身、魚の頭や骨付き鶏もも肉 | 小魚は丸ごと使うことで骨も摂取可能。魚骨付き切り身を与える際はしっかり加熱または適切に処理して安全性を確保する。骨の割合を生肉全体の10〜20%ほどにするという目安もあり。 | 
| オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA) | 青魚(サンマ・サバ・イワシ・きびなごなど)、アジなど魚全般 | 週に数回、青魚を取り入れる。魚を脂とともに与えるとEPA・DHAの含有量が上がる。日本犬の特徴を考えると、魚由来のEPA・DHAを定期的に使いたい。 | 
| 鉄・亜鉛・銅などミネラル | 牛・鶏の肝臓、砂肝、牛赤身肉、小魚、貝類(ムール貝・アサリなど) | 肝臓はビタミンAも高いため頻度を守る(例:週1回など)。小魚・貝類でミネラルと微量元素を適度に補給。肉の種類をローテーションする。 | 
| ビタミンD | 魚の脂身(青魚)、きくらげや椎茸(干ししいたけなど) | 日の光にさらした干し椎茸などを利用する方法。魚油に頼らず、魚の脂身を含む部分を与える。青魚の皮や脂身部分を捨てずに使う。 | 
| ビタミンK | 緑黄色野菜(小松菜・ケール・ブロッコリー)、納豆など | 野菜を細かく刻むかペースト状にして消化しやすくする。納豆は発酵食品として腸内細菌の助けにもなる。 | 
注意点とまとめ
自然食材中心でも気をつけるポイント
手に入りやすい食材でも、与え方・頻度・処理方法によりリスクがあります:
- 骨付き魚や骨付き肉を与える際は、骨が割れたり尖ったりしていないこと、犬が嚙んで安全に食べられるサイズであることを確認する。
 - 魚の重金属(特に青魚)や寄生虫のリスクを考慮し、加熱・冷凍処理や信頼できる販売元のものを使う。
 - 肝臓などの内臓はビタミンA過剰のリスクもあるので、頻度を制限(例えば週1回以内など)する。
 - 野菜類は繊維が太いものは消化しにくいこともあるので、茹でる・細かく刻む・ペースト状にするなど工夫する。
 
まとめ
生肉だけの食事でも、魚・小魚・骨付き肉・内臓・緑黄色野菜など比較的手に入りやすい食材を組み込むことで、カルシウム・オメガ3脂肪酸・鉄・亜鉛・銅・ビタミンD・ビタミンKなどの不足しやすい栄養素を自然に補うことが可能です。
オンラインストア にはお肉だけでなく足りない栄養素を補うことができる魚貝類や発酵野菜なども取り揃えています。
ただし、犬の体重・年齢・活動量によって必要な量は異なるため、健康状態を見ながら調整を行い、可能であれば獣医師に食事内容をチェックしてもらうことをおすすめします。


